栃木県 二宮町 せんだん幼稚園 理事長コラム

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2001/10月
運動会のプログラムには発表、とくに団体の演技がつきものですね。ダンスやマーチングバンド(鼓笛)などです。
 中でも、マーチングは、「今どきの親にはうけない」とか言ってやらない園も多いようです。
 子どもは遊びによって育つ、ということはだれもが等しく肯定するところです。しかし、幼児の本性を深く解さない人々は子どもの遊びとは子どもの気ままににまかせることだと勘違いしています。マーチングなどはおしつけで子どもの主体性を損なうなどと、見当違いもはなはだしい論理を展開し、当園の教育活動を非難する人もいます。
 実際、そのような主張をし、保育をする幼稚園、保育園も多いようですが、実際、観察すると野放図な暴れん坊が幅を利かし、その反面、おとなしい子は園庭の片隅でしょんぼりしている、といった情景がみられます。いじめる子といじめられる子の縮図です。そういう子どもたちが小学校へいくと、秩序のない、多動的な、わずかな時間でも授業に集中できないという学級崩壊の現象を招くのではないでしょうか。(これは現に当地区でも起こっている問題です)
 当園でのマーチングの練習では年長組の皆が自ら意欲的に取り組む姿が見られます。自己を律し、他と協調し、力を合わせて行動する様子には年長児ならではの育ちが感じられます。発達段階に即応して、自らの力を試すような、あるいは鍛えるような活動を子どもたち自身が求めている、というのが真実なのです。
 幼児の本性を理解しない人々はマーチングの練習に真剣になってとりくんでいる子どもたちを見て「かわいそう・・」などといった非常に薄っぺらい、偏見とも言える見方をしがちですね。こども自身が自ら意欲的にとりくみ、没頭する姿は実は遊びの延長にあるもの、広い目でみれば遊びそのものといえるのです。
 また、それなりの社会秩序を心得ることはやはり人の基本です。そして、秩序は、教えて覚えるものではなく、ただただ秩序ある生活体験の中に自然にたくわえられていくものです。そして、秩序ある生活をだれよりも好むのも、実は本来の子どもたち自身である、ということに気づきます。
 年長になって初めて取組むマーチング。これまで培ってきた力を試す機会です。練習の過程では、皆が一丸となって切磋琢磨してきました。真剣にやる子供たちの姿にはこころが打たれる思いがします。今の経験は必ず良い成長の糧となることでしょう。
 子の育ちを願い、当園では取組んでいます。運動会をお楽しみに!  

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