栃木県 二宮町 せんだん幼稚園 理事長コラム

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 ● 創立50周年を迎えて ●
 双葉より芳しきほとけの子たちの健やかな成長を願い、せんだん幼稚園が創立されて半世紀、ここに創立50周年を迎えました。
 創設者(荒木秀胤氏)によって設立された当園はその母体である芳全寺の禅の学校「栴檀林」の伝統精神を承けて、仏教の理念の下、戦後の人間性回復を願い、その教育を通して社会に奉仕することを目的として創設されました。
■変わる幼稚園の役割
 さすがに半世紀の時の流れは世の中を大きく変えます。昭和30年代には鼻水を垂らしながら幼い弟らをおぶって「おどもり(子守)」をする年上の姉や、自転車でやってくる紙芝居おじさんの水飴をなめ、ベーゴマ、メンコ遊びに群れ興ずる子供達・・といった姿が見られましたが、今や家の中からコンピュータゲームの機会音が聞こえてくるような世となりました。幼稚園に期待される社会的役割も変化してまいりました。現在当園では通常保育終了後の預かり保育児と小学生の放課後児童クラブの子供達が毎日30名数名夕方遅くまで生活するような場となっています。幼稚園に入園しない未就園児を対象とした親子教室や、老人会等との交流事業など、幼稚園が地域に必要とされる総合的な機能、子育て支援の場として期待されてきています。当園ではこれら社会的状況の変化に対応し、こどもたちによりよい育ちの環境を提供すべく柔軟かつ前向きに取り組んでいます。
■変わらぬ教育への期待
 一方、幼稚園に課せられた教育第一という本義的使命は時代の変化を経ても不変であります。建学の精神でもある仏教の理念をベースに、子供達の未来を見据えての教育の有るべき姿を探り、磨き、深めていくことは当園が最も力を注いでいるところであります。
 時は平成元年、幼稚園教育要領の大刷新でそれまでの教育の仕方がこどもの自主性第一主義へと舵を切られました。俗に「自由保育」といわれるものです。素晴らしい考え方でしたが、この教育手法は一歩間違えると自主性(自由)の尊重と自分勝手を取り違え易く、指導でなく援助者に回った教師にかなりの力量を要求するものでした。力不足の先生のクラスはすぐに学級崩壊です。このようなリスクを避け、もっと活動的でイキイキとし、集団としての秩序を保ちながらも、楽しく、そして何より子供達の成長に資するところが大きい教育手法を求め、辿り着いたのが総合幼児教育研究会(総幼研)の教育でした(平成8年)。
 現在、当園ではこの総幼研の教育理念をベースにし、運動、言語、音楽を三本柱とした基礎活動を毎日リズムよく、テンポよく、くりかえし実践しています。これは建学の精神である禅の学校「栴檀林」の伝統精神にも通じるものと思っています。
 今では何より子供達が活動的で元気。運動や音楽などに取り組む意欲や態度も大変立派。発表行事なども毎回楽しみなものとなっています。
 まず幼児期のこどもたちに対しては自主性の名の下に放り出すのではなく、意図的な働きかけで育つ力というエンジンのスターターを回してあげることが大切、と思っています。
 今日のせんだん幼稚園があるのは保護者の皆様方を始め、様々な面よりご支援ご協力をいただいた多くのご関係者方々のおかげです。新しい半世紀への出発に際し、これまでのご厚誼に深く感謝いたしますと共に、さらに当園を開かれた子供達の育ちの場として益々磨き上げていきたいと考えております。