栃木県 二宮町 せんだん幼稚園 理事長コラム

戻る

頭にきちゃった時、問われるもの
 先日、その事件は起きた。暮れ泥む夕刻、冷たい雨が降る中、一人の女性が興奮した様子で園の玄関を訪れた。当園の保護者から車同士のすれ違いのトラブルで罵声を浴びせられた、と憤慨して単身乗り込んでこられたのだ。事の真実は定かではないが、園方面(東の方角)からの坂を登った旧294号線への出口付近(T字路)で車同士がすれ違う際、なんらかのドラブルが起きたようだ。出先で携帯への緊急連絡を受けた私の耳に困り果てた先生の声が響く。生憎、所用で直ぐには駆け付けられない状況であったので、良く調査してしかるべく対処させていただく旨をことづけてもらい、居合わせた先生全員で頭を下げてお引き取りいただいた。しかし、事実は・・・・。
 人間というものは、頭に血がのぼると、冷静な判断ができなくなるようだ。子どもが乗っていた、東の方角から坂を登って来た、というだけで当園の保護者の車と決めつけてしまっている。さらに自分側の落ち度(実はミラーを確認せずに旧国道から突っ込んできているらしい)についての冷静な自省の視点も吹っ飛んでいる。
 このような自己中心の早とちりをされ、騒がれた後の事の収拾は案外手間取るものだ。一体どれだけの人が困った思いをしたことか、その人は考えも及んでいないのであろう。社会を揺るがした最近の事件ではホリエモンより発信された(嘘)と物議をかもした偽メール事件が記憶に新しい。記者の情報(実は捏造)を鵜呑みにし、早とちりをした結果、国会空転、党首交代という事態を招いたものだ。これなどは金銭的損失に換算したらおそらく天文学的な金額になることだろう。
 似たことは私たち幼稚園の中でも起こりうる。たとえば、子ども同士のトラブルが発生した際、片方の子の言い分だけを鵜のみにしたらとんでもないことになりかねない。過去に我が子の言い分のみを鵜呑みし、騒いだ結果、恥ずかしい思いをされた保護者も実際にいらっしゃる。
 人間、頭にくるな、と言われてもそのような場面に遭遇するとなかなか難しい。(かく言う私もけっこう短気(!?)/特に車の運転中、後続車から危険なあおりなどされると怒るのだ!!) 怒るのは人間としての自然な感情表出でありやむおえない。しかし、その時こそ冷静な判断ができるか否かが問われるている。