1. HOME
  2. 歴史
  3. 震災からの復興

震災からの復興

震度六強の激震
   大仏の倒壊

 平成二十三年三月十一日に発生した東日本大震災では、当地は震度六強の激震でした。境内建立物に大きな被害があり、当大仏の石の台座も倒壊し、大仏本体は後方へ落下、首が折れ、背中から腰にかけて大きく割れて損傷してしまいました。

 震災直後の当地区は一様に大きな被害を受けており、とても大仏の修復を検討するどころではなく、自身の日常生活の回復を図ることで精一杯の状況が続いておりました。

 夏のお盆も過ぎ、徐々に落ち着きを取り戻す中、壊れた大仏を憂えてくださる方々の声も聞かれるようになり、意を決して修復事業に取り掛かることを決心致しました。幸いにも、栃木県、真岡市からの補助、文化財振興財団からの助成を請ける見通しが立ち、また自分の家や墓地の修復で大変な状況にも関わらず、檀信徒の方々からも多くの特別志納の申し出を請けることができました。

  本体は損傷度が激しく、経年劣化もあり、文化財としての資質をいかに保つかという命題の下、修復作業は困難を極めました。国内ではほとんど前例がなく、手探りでの作業が続きました。

叡智の結集により
   復興が実現

 幸いにも、無事満足のいく修復が完了し、また、絶対に倒壊しない強度を持った石の台座、酸性雨から本体を守る覆屋も美しく完成し、全事業が竣工されました。
 これは一重に、修復事業に関わられたすべての方々の専門的見識と技術力の結集、及び県・市、関係団体、多くの檀信徒の方々からの資金支援の賜によるものです。
 大仏様も今回の修復事業の一部始終をご覧になられ、皆様方のご協力、ご尽力にきっとお喜びになられておられることでしょう。
 こころから深く感謝申し上げます。 
蟠龍山芳全寺 住職 荒木龍胤 合掌

<事業協力業者>
株式会社 小西美術工藝社 様
株式会社 アルテピナコテーク代表取締役 宇野 務 様
合資会社 宮田石材商会 様
株式会社 カナメ 様
株式会社 渡辺有規建築企画事務所 様

<修理検討委員>
大正大学教授 副島 弘道 様
大正大学教授 加島 勝 様
真岡市教育長 酒井 勲 様
栃木県教育委員会文化財課 様
真岡市文化課 様
小西美術工藝社 様
宗教法人 芳全寺